宇久須の浜辺に近い山の中腹に弁財天を祀った祠があります。浜辺の人達は
この弁財天を「弁天さん」と呼んでいます。
この弁天さん、御利益は「奥様に見直され大事にされる」??
それは次のような言い伝えがあるからです。後は本人しだいでしょうか。
それでも西伊豆に来たら是非お参りしてください。独り者の私には関係ありませんが。
「頭の上に男の神さんを支えている弁天さん」
この弁天さんは、毎年1月最初の巳の日に漁業関係者が中心となって丁重な
例祭を行っているが、この祠の本尊である弁天さんには、むかしから
おもしろい言い伝えがある。
この弁天さんは、ふだん夫の神さんがあまり働かないということで
夫婦仲良く無かった。
弁天さんは七福神の中では紅一点の女神で美人である。
もっとりっぱな亭主が持てたのにという自負心もあったかもしれない。
ところがある年の暮れに、おたがいの1年間の稼ぎ高を勘定したところ、
ご亭主の方が3両ほど多かった。
ふだんはなまけているように見えても、やはり仕事のことにかけては、
さすが男だけのことはあると弁天さんは夫の神さんを見直すようになった。
それからというものは夫婦仲良く暮らすようになったという。
このとき弁天さんは、うれしさのあまりご亭主を頭上高く差し上げて、
これからも仲睦まじく暮らすことを誓ったということである。
その姿をそのまま刻んだ像が今に伝えられている宇久須弁天さんの本尊様
だということである。弁天さん夫婦が相和してからは、浜辺の人々も
弁天さんを見習って仲むつまじく暮らして家々に幸福がもたらされるようになったという。
その上、祭りのあるたび毎に豊漁が続き、村は裕福になったという。
以上の文章は賀茂村社寺考 および矢崎信夫先生の著書から借用しました。
矢崎先生はこうも書いています。
この伝承の中には、時には荒海の中で漁をしながら、一家の生計を支えなければならない
男の苦労をよく理解して、家族のものが一家の働き手である主人を敬愛することが
大切で、それがやがて一軒の家の幸せをもたらすことになるものだという、素朴な
寓話が含まれているように思われる。
これからの時代参拝したい人が多いのでは。私も別の意味で参拝したいです。